廃材活用！古い布きれ・タオルでつくる簡単フリンジ飾り ～着なくなった服も大切な資源～
廃材活用！古い布きれ・タオルでつくる簡単フリンジ飾り ～着なくなった服も大切な資源～
私たちの身の回りには、まだまだ使えるのに捨てられてしまうものがたくさんあります。特に衣類は、流行やサイズの変化によって手放されることが多く、大量の衣類ごみが発生している現状があります。このような「廃材」に新しい命を吹き込むことは、物を大切にする心を育むだけでなく、地球環境を守ることにも繋がります。
この記事では、着なくなった服や使い古したタオルなど、家庭から出る身近な「布きれ」を使い、子供たちと一緒に楽しく取り組めるリメイクアイデアをご紹介します。特別な道具や技術は必要なく、切る、結ぶ、貼るといった簡単な工程で、オリジナルのフリンジ飾りを作ることができます。この活動を通じて、衣類ごみ問題について考えたり、身の回りの資源に目を向けたりするきっかけになれば幸いです。
古い布きれ・タオルでつくる簡単フリンジ飾り
着られなくなったTシャツや、穴が開いてしまったタオルなど、そのまま捨ててしまうのはもったいない布製品を活用します。フリンジは、細く切った布を束ねるだけで簡単にできる、手軽で可愛い飾りです。キーホルダーにしたり、バッグに付けたり、お部屋のオーナメントにしたりと、様々なものに活用できます。
使用する廃材と環境学習のポイント
今回の主な材料は、着なくなった綿素材のTシャツ、タオル、シーツなどです。これらの布製品は、多くの場合、可燃ごみとして処理されます。しかし、世界的には大量の衣類が生産され、そして短い期間で廃棄されています。これは、資源の無駄遣いであるだけでなく、製造過程での水やエネルギーの消費、廃棄時の環境負荷など、様々な環境問題を引き起こしています。
- 環境学習のポイント:
- 私たちの着ている服や使っているタオルは、どこから来て、どこへ行くのだろう？
- 「衣類ごみ」という言葉を知っていますか？
- 服を最後まで大切に使うにはどうしたらいいだろう？
- リサイクルやリユースの例を考えてみよう。
- 天然素材（綿など）と化学繊維（ポリエステルなど）について少し触れ、素材による違いや環境への影響を考えるきっかけとすることもできます。
必要な道具リスト
- 使い古した布製品（Tシャツ、タオルなど）
- 布用ハサミ（子供用ハサミも用意）
- 定規
- チャコペン、または鉛筆
- 木工用接着剤、または布用ボンド
- 厚紙（フリンジを貼り付ける土台にする場合）
- 紐やリング（飾りとして使用する場合）
詳しい工作手順と安全上の注意点
さあ、実際にフリンジ飾りを作ってみましょう。ワークショップ形式で行う場合は、事前に布を洗っておくと衛生的です。
ステップ 1: 布の準備 1. 使い古した布製品をきれいに洗濯し、完全に乾かしてください。 2. 布をハサミで扱いやすい大きさに切ります。（例：Tシャツなら袖や裾を切り落とすなど）
ステップ 2: フリンジ用の布を切るための準備 1. フリンジにしたい布の部分を、定規を使って幅を決めて印をつけます。作りたいフリンジの長さより少し長めに切る部分を決めます。 * 例：フリンジの長さを5cmにしたい場合、7cm程度の幅で帯状に布を用意します。 2. 帯状にした布の片方の端から、フリンジにしたい長さ（例：5cm）まで、定規とチャコペン（または鉛筆）で細かく線を引き、印をつけます。線の幅は5mm〜1cm程度がおすすめです。細かく切るとふわふわになります。
ステップ 3: 布を細く切る 1. ステップ2で印をつけた線に沿って、布用ハサミを使って布を細く切っていきます。フリンジにしたい長さのところで止め、端まで切り離さないように注意してください。 * 安全上の注意点: ハサミを使う際は、必ず指を切らないように注意してください。特に子供が作業する際は、大人が使い方を見守り、必要であれば一緒にハサミを持ちながら作業してください。布用ハサミはよく切れるため、刃先に十分注意が必要です。小さい子供には、ギザギザバサミなど安全性の高いハサミを検討するのも良いでしょう。 2. 帯状にした布全体を細く切るまで繰り返します。
ステップ 4: フリンジを束ねる 1. 細く切った布の束を、切っていない上の部分でまとめます。 2. 別の布きれ（細く切ったもの）、または丈夫な紐を使って、まとめた部分をぐるぐると巻き付けたり、結んだりして固定します。これでフリンジの基本形ができます。
ステップ 5: 飾り付けと仕上げ 1. 作ったフリンジを、そのまま使ったり、いくつか組み合わせてボリュームを出したりします。 2. 厚紙などにボンドで貼り付けてキーホルダーの形にしたり、紐に通してガーランドにしたりと、自由に飾り付けをします。 * 安全上の注意点: 接着剤を使う際は、目や口に入らないように注意し、使用後はしっかりと手を洗いましょう。換気をしながら作業することをおすすめします。 3. ボンドを使った場合は、しっかりと乾かしてから完成です。
子供が主体的に取り組むためのヒント・応用例
- 素材選び: 子供自身に着なくなった服やタオルを選ばせ、「これで何を作ろうかな？」と一緒に考える。色や柄の組み合わせを考えるのも楽しい活動です。
- 切る幅を変える: フリンジの細さを自分で決めさせて、太いフリンジ、細いフリンジなど、違いを楽しませる。
- 色を塗る: 布用絵の具やマーカーで、切る前に布に模様を描いたり、フリンジができてから色を塗ったりしてアレンジする。
- 応用例:
- 切った布を丸めて「布玉」を作り、フリンジと組み合わせてキーホルダーにする。
- 長いフリンジを作って、バッグの持ち手に結び付けて飾る。
- 様々な長さ、色のフリンジをたくさん作り、一本の紐に通してガーランドとして部屋に飾る。
- 小さなフリンジをたくさん作って、ブローチやヘアアクセサリーの飾りにする。
ワークショップで実施する際の準備や注意点
- 布の準備: 参加人数に合わせて、十分な量の布を事前に集め、洗濯しておきます。Tシャツ素材は切りやすく扱いやすいのでおすすめです。様々な色や柄を用意すると、子供たちの創造性が刺激されます。
- ハサミの準備: 子供の人数に合わせて、安全な子供用布用ハサミを十分に用意します。刃先の丸いものなどが良いでしょう。カッターナイフは原則使用しないようにします。
- 安全指導: 作業を始める前に、ハサミや接着剤の安全な使い方について、子供たちに分かりやすく説明し、注意を促します。
- スペース: 布を切る作業スペースと、接着剤を使うスペースを確保し、換気を良くします。
- 乾燥場所: 接着剤を使用した場合、作品を乾かす場所を確保します。持ち帰るまでに乾きにくい場合は、持ち帰り方法を検討します。
- 環境学習: 工作の合間や完成後に、使用した布がどこから来たか、なぜ廃材を活用するのか、といった環境に関する話をします。クイズ形式にしたり、写真や絵を見せたりすると、子供たちの興味を引きやすくなります。
まとめ
今回は、身近にある古い布きれやタオルをアップサイクルして作る、簡単で可愛いフリンジ飾りのアイデアをご紹介しました。切って、結んで、貼るだけのシンプルな工程は、小さな子供でも大人と一緒に、あるいは自分で考えて取り組むことができます。
この活動は、単に工作を楽しむだけでなく、着られなくなった服や使い古したタオルも大切な資源であること、物を簡単に捨てずに工夫して使うことの大切さを、子供たちが遊びながら学ぶ貴重な機会となります。フリンジ飾りを作る過程で、様々な布の手触りや色、柄に触れることは、子供たちの五感を刺激し、創造力を育むことにも繋がるでしょう。
ぜひ、子供たちと一緒に、ご家庭やワークショップで廃材の布きれを活用したアートを楽しんでみてください。身の回りの「ごみ」が「宝物」に変わる体験は、子供たちの環境問題への関心を高め、持続可能な社会について考える第一歩となるはずです。