廃材あそびリメイク帳

廃材活用！プラスチックのフタを集めてつくる分別ロボット ～フタの種類を知ってリサイクルマスターに！～

捨てられるプラスチックのフタが、楽しい環境学習ツールに大変身！

日常生活で当たり前に使われているプラスチック製品には、様々な種類のフタがついています。ペットボトルのキャップはもちろん、食品が入っていた容器のフタ、洗剤やシャンプーボトルのフタなど、その種類は多岐にわたります。これらのフタも、適切に分別・リサイクルされることで、新たな資源として生まれ変わる可能性があります。

しかし、一口に「プラスチック」といっても、その素材は様々であり、分別方法も地域によって異なる場合があります。子供たちにとって、こうした複雑な分別ルールを理解するのは容易ではありません。

そこで今回は、身近な廃材であるプラスチックのフタを活用し、遊びながらフタの種類や分別の大切さを学べる「分別仕分けロボット」の作り方をご紹介します。この活動を通じて、子供たちは身の回りのプラスチック製品に意識を向け、物を大切にする心や環境問題への関心を自然と育むことができるでしょう。小学校低学年程度のお子さんでも、大人のサポートがあれば安全に取り組める内容です。ワークショップ形式での実施にも適していますので、ぜひ参考にしてください。

プラスチックのフタでつくる分別仕分けロボット

この工作では、集めたプラスチックのフタをロボットの「口」や「穴」から投入し、フタの種類に合わせて内部で仕分けられる仕組みを作ります。どんなフタがどこに落ちるかを考えることで、フタの形や大きさに注目するようになり、さらに進んで素材やリサイクルマークに興味を持つきっかけにもなります。

使用する廃材と環境学習のポイント

• 様々な種類のプラスチックフタ: ペットボトルキャップ、プリンやヨーグルト容器のフタ、洗剤やシャンプーボトルのフタ、お惣菜や食品トレイのフタなど、サイズや形、素材が異なるものを集めます。
  • 環境学習のポイント: 集める過程で、同じプラスチックでもこれほど多様なフタがあることに気づきます。それぞれのフタがどのような容器についていたか、何に使われていたかを話し合うことで、プラスチック製品が私たちの生活にいかに深く関わっているかを理解できます。また、フタに書かれているリサイクルマーク（例: プラマーク）に注目し、マークによって素材が異なること、それが分別の手がかりになることを学ぶことができます。集める前には中身をきれいに洗い、乾燥させることが重要です。これは、ごみをリサイクルに出す際の大切なステップであることを教える良い機会です。
• 段ボール: ロボット本体の材料として使用します。お菓子や電化製品の空き箱、通販の段ボール箱など、ある程度の大きさがあるものが適しています。
  • 環境学習のポイント: 段ボールもリサイクル率の高い素材ですが、濡れたり汚れたりするとリサイクルが難しくなります。工作に使う際には、きれいな部分を選ぶこと、作業中に汚さないように注意することを伝えると良いでしょう。

必要な道具リスト

• 様々なプラスチックフタ
• 段ボール箱（ロボット本体用）
• カッターナイフ（大人が使用します）
• ハサミ（子供も使用可能）
• 木工用ボンドやプラスチック用接着剤、またはグルーガン（大人が使用します）
• 絵の具、マーカー、色鉛筆など（装飾用）
• 色紙、折り紙、シール、毛糸など（装飾用、あると楽しい）
• 定規、鉛筆
• ビニールシートや新聞紙（作業場所を汚さないため）

詳しい工作手順

ワークショップ形式で実施する際は、子供たちの年齢に合わせて、大人が担当する工程と子供たちが主体的に行う工程を分け、安全に配慮して進めてください。

1. 【大人の作業】ロボット本体の設計と段ボールのカット

   • 集めた段ボール箱を使い、ロボットの形をイメージします。直方体の箱をそのまま使うのが最も簡単です。
   • ロボットの「頭」や「体」になる部分を決め、フタを入れるための「投入口」をカッターナイフで開けます。投入口は、集めたフタの中で一番大きなものが通るサイズにしてください。投入口の形を工夫すると、ロボットの表情になります。
   • ロボットの「おなか」や「足元」あたりに、フタが仕分けられて出てくる「仕分け口」を複数（例えば2～3箇所）開けます。仕分け口の下に、フタを受け止めるための小さな箱や容器を置けるようにしておくと便利です。
   • ロボットの内部に、投入口から入ったフタをそれぞれの仕分け口へ誘導するための「通路」や「坂道」を段ボールの切れ端で作ります。フタの種類（大きさ、形など）によって落ちる場所が変わるように、通路の角度や途中に仕切りを設けるなどの工夫をします。この部分は少し試行錯誤が必要かもしれません。複雑にせず、シンプルに「大きいフタはこの道、小さいフタはこの道」のように分けても良いでしょう。
   • 必要な段ボールパーツをすべてカッターで丁寧にカットします。カッターを使う際は、常に刃の向きと指の位置に注意し、滑らないように安定した場所で行ってください。子供には絶対に触らせないでください。

2. 【大人＋子供】ロボット本体の組み立て

   • カットした段ボールパーツを、木工用ボンドや接着剤で貼り合わせてロボットの形に組み立てていきます。フタを仕分けるための内部構造もしっかり固定します。
   • 接着剤が乾くまで、しっかりと押さえるか、テープで仮止めをしておきます。グルーガンを使う場合は、大人が火傷に注意して使用し、すぐに貼り合わせます。接着剤やグルーガンは子供が勝手に扱わないよう、大人が管理してください。

3. 【子供主体】ロボットの装飾

   • 段ボールでできたロボット本体に、絵の具やマーカーで色を塗ったり、目や口を描いたりします。色紙や折り紙を貼って服や飾りをつけたり、毛糸で髪の毛を表現したりするのも楽しいです。
   • 仕分け口には、「大きいフタ」「小さいフタ」「丸いフタ」「四角いフタ」など、仕分けのルールを示すマークや色、文字などを描くと、遊びやすくなります。
   • 子供たちの自由な発想で、個性豊かなロボットを完成させましょう。

4. 【子供主体】フタの準備と仕分けルールの検討

   • 集めたプラスチックフタをきれいに洗い、乾燥させます。
   • 集まったフタを広げ、どんなフタがあるか観察します。「これとこれは似ているね」「このフタは大きいね」「このフタは硬いね」など、フタの特徴について話し合います。
   • 作ったロボットの仕分け口の数に合わせて、フタをどのように仕分けるかルールを決めます。「大きいフタと小さいフタに分ける」「丸いフタとそれ以外のフタに分ける」「色の種類で分ける」など、様々なルールが考えられます。リサイクルマークに注目できる年齢であれば、「プラマークが〇〇のフタと△△のフタに分ける」といった発展的なルールも設定できます。

5. 【子供主体】分別仕分けゲーム開始！

   • 完成した分別仕分けロボットと、準備したフタを使って、実際にフタの仕分けゲームを始めます。
   • 決めたルールに従って、フタを一つずつロボットの投入口に入れます。フタがどの仕分け口から出てくるか観察し、予想と合っているか確認します。
   • うまくいかない場合は、なぜそうなるのか原因を考えたり（フタが大きすぎた、ロボットの通路が詰まったなど）、ロボットの仕組みや仕分けルールを改善したりするのも学びになります。

子供が主体的に取り組むためのヒントと応用例

• ロボットのデザインは全て子供に任せ、段ボールの貼り方や色塗りなど、できる工程はなるべく自分でやってもらいましょう。
• フタの仕分けルールを子供たち自身に考えさせることで、主体性が生まれます。最初は簡単なルールから始め、慣れてきたらフタの特徴（形、大きさ、色、硬さ、リサイクルマークなど）をヒントに、より複雑なルールに挑戦させても良いでしょう。
• 仕分けが終わったフタを使って、別の工作をするのも良い応用例です。例えば、色分けしたフタを台紙に貼り付けてモザイクアートにしたり、重ねて立体的な飾りを作ったりすることもできます。

ワークショップで実施する際の準備や注意点

• 事前に様々な種類のプラスチックフタを十分に集めておき、きれいに洗って乾燥させておく必要があります。参加者にもフタの収集をお願いするのも良いでしょう。
• 段ボールのカットやロボットの組み立てなど、カッターや接着剤（特にグルーガン）を使う工程は、必ず大人が責任を持って行い、子供から目を離さないようにしてください。ハサミを使う際も、正しい使い方を指導し、安全に配慮します。
• 参加人数に合わせて、ロボットを複数台用意するか、グループごとに1台作る形式にします。グループ制作の場合は、役割分担（デザイン担当、色塗り担当、フタ集め担当、仕分けゲーム担当など）を決めると、協力して取り組む姿勢が育まれます。
• フタの仕分けルールを事前にいくつか例示しておくと、スムーズに活動を始められます。また、リサイクルマークが読み取れるフタをいくつか用意しておき、それを見ながらフタの素材について解説する時間を持つと、より環境学習が深まります。
• 仕分けロボットが完成した後、実際にフタを使ってゲームをする時間を十分に確保してください。仕分けられたフタがどのようにリサイクルされるのか、簡単な説明を加えると、学びが深まります。

まとめ

今回は、プラスチックのフタを使った分別仕分けロボットの作り方をご紹介しました。普段は捨てられてしまうフタを集め、手を動かして形にするプロセスは、子供たちにとって発見と創造の連続です。

この活動は、単にものを作る楽しさだけでなく、「プラスチックには色々な種類があること」「分別がなぜ大切なのか」「物を大切にすること」といった環境に関する学びを、遊びを通して自然に吸収できる素晴らしい機会となります。

完成した分別ロボットは、作った後もフタを集めて遊ぶことができるため、繰り返し環境について考えるきっかけを与えてくれます。ぜひ、子供たちと一緒に廃材に新しい命を吹き込み、楽しみながら環境について学びを深めてみてください。

「廃材あそびリメイク帳」では、これからも身近な廃材を使った楽しいリメイクアイデアをご紹介していきます。