廃材活用!新聞紙でつくる立体アート ~読み終わった新聞が生まれ変わる~
読み終わった新聞紙がアート作品に!廃材でひろがる創造性と環境への意識
「廃材あそびリメイク帳」をご覧いただき、ありがとうございます。
このウェブサイトでは、普段は捨ててしまうような身近な廃材に新たな命を吹き込み、アート作品として生まれ変わらせるアイデアをご紹介しています。それは単なる工作に留まらず、子どもたちが遊びの中から自然と「物を大切にする心」や「環境への配慮」を育むきっかけとなることを願っています。
今回は、どのご家庭にもある廃材の一つである「新聞紙」を使った立体アートのアイデアをご紹介します。読み終わった新聞紙は、古紙回収に出すこともできますが、少し手を加えるだけで驚くほど豊かな表現が可能なアート素材となります。この活動を通じて、新聞紙がどのように作られ、私たちの元に届き、そしてどのようにリサイクルされるのか、といった環境学習の視点も自然と学ぶことができるでしょう。
本記事では、新聞紙を主な材料として、特別な技術や高価な道具を使わずにできる、簡単で楽しい立体工作の手順をご紹介します。小学校低学年のお子さんでも、大人の方と一緒に、あるいは安全に配慮すれば主体的に取り組める内容です。子供向けのイベントやワークショップでの活動アイデアとしても、ぜひご活用ください。
新聞紙でつくる立体アート
読み終わった新聞紙は、ちぎったり丸めたりすることで様々な形に変えることができます。ここでは、新聞紙を丸めて芯にし、さらに新聞紙を貼り付けて立体を作る基本的な方法を使ったアイデアをご紹介します。
使用する廃材と環境学習のポイント
廃材: 読み終わった新聞紙
- 環境学習のポイント:
- 新聞紙は木の繊維から作られています。私たちが使う紙のために木が使われていることを知る。
- 読み終わった新聞紙は大切な資源としてリサイクルされます。回収された新聞紙がトイレットペーパーや段ボールなどに生まれ変わることを伝える。
- しかし、全ての紙がリサイクルされるわけではありません。汚れてしまった紙や、正しく分別されない紙は燃やされてしまうこともあります。紙を大切に使うこと、正しく分別することの意義を考えます。
- 今回の工作のように、すぐに捨てずに別のものとして活用することも、資源を有効に使う素晴らしい方法であることを伝えます。
必要な道具リスト
- 読み終わった新聞紙
- ハサミ
- 水のり または 木工用接着剤(水で少し薄めて使用する)
- 絵の具、マーカーペン、色鉛筆など(着色用)
- ボウルまたはバット(のりを薄める場合や、のり液を塗る場合に使用)
- 作業スペースを汚さないための新聞紙やビニールシート
詳しい工作手順
ここでは、例として「ゆらゆら揺れるヘビ」の作り方をご紹介します。この基本的なテクニックを応用すれば、様々な立体作品を作ることができます。
ステップ 1:芯を作る
- 新聞紙を広げ、端からくるくると丸めて棒状にします。好みの太さや長さになるまで新聞紙を継ぎ足しながら丸めます。
- 丸め終わったら、端がほどけないようにセロハンテープなどで仮留めするか、水のりを少量つけて固定します。これが作品の「芯」となります。
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ヘビを作る場合は、この芯をくねくねと曲げてヘビらしい形にします。他の生き物や物を作る場合も、この芯で大まかな形を作ります。
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安全上の注意: 丸める作業は指を挟まないように注意しましょう。
ステップ 2:肉付けをする
- 別の新聞紙を、約5cm〜10cm角くらいの大きさに手でちぎります。大きさは多少不ぞろいでも大丈夫です。
- ボウルに水のり、または水で少し薄めた木工用接着剤を用意します。(木工用接着剤を使う場合は、水と接着剤を1:1くらいで混ぜると扱いやすくなります)。
- ちぎった新聞紙をのり液に浸します。新聞紙全体にのりがつくように、しかしベタベタになりすぎないように軽く絞ります。
- のりをつけた新聞紙を、ステップ1で作った芯の上に貼り付けていきます。芯全体が隠れるように、新聞紙を重ねて貼り付け、形を整えます。
- これを繰り返して、作りたいものの形に「肉付け」していきます。ヘビであれば、頭の部分を少し太くしたり、尻尾の方を細くしたりします。
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全ての面に新聞紙を貼り付け終わったら、形が崩れないように注意しながら、完全に乾かします。完全に乾くまでに半日から1日程度かかることがあります。
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安全上の注意:
- のり液を使う際は、目や口に入らないように注意しましょう。作業後は手を洗いましょう。
- 作業スペースが汚れないように、新聞紙などを敷いて行いましょう。
ステップ 3:色を塗って仕上げる
- ステップ2で貼り付けた新聞紙が完全に乾いて固まったことを確認します。
- 絵の具、マーカーペン、色鉛筆などを使って、作品に色を塗ったり模様を描いたりします。ヘビなら緑色や茶色、カラフルな模様などを自由に描いてみましょう。
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目の部分に小さな紙やビーズ(誤飲に注意)を貼ったり、色々な飾りをつけたりして、作品を完成させます。
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安全上の注意:
- 絵の具やペンを使う際は、服や周りを汚さないように注意しましょう。
- 小さな飾りを付ける場合は、特に小さなお子さんが誤って口に入れないように十分注意し、必要であれば大人が代わりに作業を行いましょう。
子供が主体的に取り組むためのヒントと応用例
- 自由な発想を大切に: 「ヘビ」の作り方を紹介しましたが、子供たちの自由な発想で、様々な生き物や想像上の生き物、乗り物、食べ物など、好きなものを作るように促しましょう。「こんな形の芯にしたら、何ができるかな?」「この新聞紙、どうしたら違うものに見えるかな?」など、問いかけをすることで創造性を刺激できます。
- 質感を楽しむ: 新聞紙を丸めた芯の表面に、ちぎった新聞紙だけでなく、細かく裂いた新聞紙を貼ったり、わざとしわくちゃにした新聞紙を貼ったりすることで、様々な質感表現ができることを試してみましょう。
- 応用例:
- いくつかの立体作品を組み合わせて、一つの大きな作品(例:動物園、街の一部)を作る。
- 芯を太くして、椅子やテーブルなど、より大きなものに挑戦する(乾かすのに時間がかかります)。
- 新聞紙を細かくちぎって、水と混ぜてのり状にし(パルプ)、粘土のように形を作る方法(紙粘土の簡易版)に挑戦する。
ワークショップで実施する際の準備や注意点
- 材料の準備: 事前に十分な量の新聞紙を集めておきましょう。のり液は、グループの数に合わせてボウルなどに分けて用意しておくとスムーズです。ちぎる作業は、子供たちが自分で行うことで工程への理解が深まります。
- 作業スペース: 新聞紙やのりで汚れる可能性があるため、床や机に必ず新聞紙やビニールシートを敷いてから作業を開始しましょう。
- 安全指導: ハサミを使う場合は、正しい持ち方や使い方、使わない時の置き場所などを事前にしっかりと指導してください。カッターナイフは子供には使わせず、大人が行うようにしましょう。のりの扱い方、絵の具の使い方についても同様です。
- 乾燥時間: 立体作品は完全に乾くまでに時間がかかるため、乾燥させる場所を確保しておきましょう。天候によっては乾きにくい場合があるため、余裕を持ったスケジュールで実施するか、持ち帰り方法を検討しておくと良いでしょう。
- 環境学習の話: 工作の前に、または作業の合間に、新聞紙がどのように作られるか、リサイクルされるかといった話を分かりやすく伝えると、活動の意義が深まります。クイズ形式にしたり、実際にリサイクルマークを見せたりするのも効果的です。
まとめ
今回は、身近な廃材である新聞紙を使った立体工作のアイデアをご紹介しました。丸めて芯にしたり、ちぎって貼り付けたりするシンプルな工程ですが、子供たちの自由な発想と創造性によって、多様な作品が生まれる可能性を秘めています。
この活動は、子供たちが手を動かしながら楽しくアートに触れるだけでなく、読み終わった新聞紙が大切な資源であること、そして工夫次第で素晴らしいものに生まれ変わることを実感できる貴重な機会となります。
廃材を使ったリメイク活動は、子供たちの創造力や問題解決能力を育むと共に、「もったいない」の気持ちを育み、持続可能な社会について考える第一歩となります。ぜひ、子供たちと一緒に廃材アートの世界を楽しんでみてください。そして、この活動が、彼らが将来、環境問題に対して主体的に関わる大人へと成長するための小さなきっかけとなれば幸いです。
今後も「廃材あそびリメイク帳」では、子供たちが楽しみながら学べる廃材活用アイデアをご紹介していきます。ぜひ、また次の記事もご覧ください。