廃材活用!果物ネットでつくるふわふわ海のなかま ~プラスチック梱包材と海の環境を考えよう~
廃材活用!果物ネットでつくるふわふわ海のなかま ~プラスチック梱包材と海の環境を考えよう~
私たちが普段何気なく受け取っている果物や野菜のネット。鮮やかな色や柔らかい感触で商品を保護する役割を終えると、多くはそのまま捨てられてしまいます。しかし、これらのネットも、実は子供たちの創造性を刺激し、環境について学ぶための素晴らしい「廃材」に変身させることができるのです。
この廃材あそびリメイク帳では、捨てられるはずの廃材に新しい命を吹き込むアイデアをご紹介しています。今回は、身近なプラスチック梱包材である果物ネットを使ったリメイクアイデアを通じて、楽しくものづくりをしながら、私たちが抱えるプラスチックごみ問題、特に海の環境への影響について考えるきっかけを提供したいと思います。
ここでご紹介する工作は、特別な道具や技術は一切不要です。小学校低学年のお子さんでも、大人の方と一緒に、あるいは主体的に安全に取り組める内容となっています。子供向けイベントやワークショップでの活動アイデアをお探しの方に、ぜひお役立ていただければ幸いです。
ふわふわ海のなかまをつくろう
果物ネットの柔らかく、少し伸縮性のある特性を活かして、海に住む生き物たちを作ってみましょう。クラゲ、イソギンチャク、魚など、想像力を膨らませて様々な海のなかまを生み出すことができます。この活動を通して、プラスチック梱包材がどのように生まれ、捨てられ、そして海へ流れ着いてしまった場合にどんな影響があるのか、子供たちと一緒に考えてみませんか。
使用する廃材と環境学習のポイント
- 廃材: 果物ネット(メッシュ状の梱包材)
- 環境学習のポイント:
- プラスチック梱包材の現状: 私たちの生活に深く関わっているプラスチック梱包材の便利さと、それが大量のごみとして排出されている現状を知ります。
- リサイクルの課題: 果物ネットのような梱包材は、素材の種類が様々であったり、汚れやすかったりするため、リサイクルが難しい場合が多いことを学びます。
- 海洋プラスチックごみ問題: 海に流れ着いたプラスチックごみが、海の生き物や環境に深刻な影響を与えている事実について考えます。今回の「海のなかま」を作る活動は、この問題への関心を深めるきっかけとなります。
- 「Reduce(減らす)」「Reuse(再利用)」「Recycle(リサイクル)」の考え方: 廃材をアートにすることで、「Reuse(再利用)」の具体的な実践を体験し、普段からごみを減らす「Reduce」の意識を持つことの大切さを感じ取ります。
必要な道具
- 果物ネット(様々な色や形のものがあるとより楽しいです)
- ハサミ
- 輪ゴム(ネットを閉じる用)
- モール、毛糸、リボン、他のネットの切れ端など(飾り付け用)
- 動眼(目玉パーツ。なくてもペンや他の素材で代用できます)
- 木工用接着剤または布用接着剤
- 油性ペン(布などにも描けるものが望ましい)
- 詰め物用の素材(綿、古い布の切れ端、新聞紙、ビニール袋、他の果物ネットの切れ端など)
詳しい工作手順
安全に注意しながら、楽しく進めましょう。
ステップ1:ネットの下準備 集めた果物ネットは、可能であれば一度水で洗い、しっかりと乾燥させておきましょう。汚れがついている場合は、優しく拭き取るか洗います。
ステップ2:ネットを広げる 作りたい「海のなかま」の大きさに合わせてネットを選びます。ネットを筒状になっている場合は、片方の口を輪ゴムで軽く留めるか、長さを調整して切っておきます。
ステップ3:中に詰め物を入れる ネットの中に、用意した詰め物をふんわりと詰めます。綿を入れると柔らかい触感に、新聞紙やビニール袋を入れると形が崩れにくくなります。他のネットの切れ端を詰めるのも面白いです。詰め物の量で、作品の丸みや硬さが変わります。 * 安全上の注意: 小さな部品や尖ったものは詰めないようにしましょう。
ステップ4:口を閉じる 詰め物を入れたら、ネットの開いている口を輪ゴムでしっかりと閉じます。複数の輪ゴムを使ったり、きつく結んだりすると、より丈夫になります。
ステップ5:形を整える 詰めたネットの形を、作りたい海のなかまに合わせて整えます。手で優しく揉んだり、引っ張ったりして丸い形や細長い形にしましょう。この時点で、なんとなくクラゲや魚のような形になってきます。
ステップ6:飾り付けをする モールや毛糸、ネットの切れ端などを使って、目玉、ヒレ、触覚、飾りなどを付けます。接着剤で貼ったり、モールを巻き付けたり、ネットの網目に通したりと、様々な方法で表現できます。油性ペンで直接模様を描き込むのも良いでしょう。 * 安全上の注意: ハサミを使う際は、必ず刃先を自分や他の人の方に向けないように注意しましょう。小さな部品(動眼など)を使う場合は、子供が誤って口に入れないように大人がよく見ていてください。接着剤を使う際は、換気を心がけ、皮膚につかないように注意しましょう。
ステップ7:完成! 飾り付けが終わったら、ふわふわの海のなかまの完成です!様々な色や形のネットで、たくさんの海の仲間たちを作ってみましょう。
子供が主体的に取り組むためのヒント・応用例
- 自由な発想を大切に: 「海のなかま」と限定せず、「ふわふわモンスター」や「宇宙の生き物」など、子供たちの自由な発想で好きなものを作らせてみましょう。
- 材料の組み合わせ: 果物ネットだけでなく、他の廃材(ペットボトルキャップ、食品トレイの切れ端など)を組み合わせてみるのも創造性を刺激します。
- 大きな作品に挑戦: いくつかのネットを繋ぎ合わせたり、大きなネットを使ったりして、大きな海の生き物を作ることも可能です。
- 展示方法を考える: 作った海のなかまを吊るしたり、並べたりして「海の世界」を表現する展示コーナーを作るのも楽しい活動です。
ワークショップで実施する際の準備や注意点
- 材料の確保: 事前に地域のスーパーや果物店などに協力をお願いし、果物ネットを集めると良いでしょう。洗って乾燥させておく作業も、子供たちと一緒に行うと学びが深まります。
- 道具の準備: 子供たちの人数に合わせて、ハサミ、接着剤、輪ゴムなどを十分に用意します。ハサミの安全な使い方は、活動の始めに必ず全員で確認しましょう。
- 詰め物オプション: いくつかの種類の詰め物を用意し、触り心地の違いなどを体験できるようにすると、より豊かな sensory play(感覚遊び)になります。
- 環境学習の時間: 工作の時間を確保すると同時に、果物ネットがどこから来て、なぜ廃材になるのか、そしてそれが環境にどう影響するのかを、絵本や写真などを交えて分かりやすく伝える時間を設けることが重要です。
- 安全管理: 特にハサミや接着剤の使用時には、スタッフが巡回して安全を確認します。小さな子供が参加する場合は、詰め物や飾り付けの小さなパーツの誤飲に十分注意が必要です。
まとめ
今回は、普段は捨てられてしまう果物ネットを使った「ふわふわ海のなかま」づくりをご紹介しました。この simple な工作活動は、子供たちが自分の手を動かして何かを作り出す楽しさを味わうだけでなく、身近な廃材に目を向け、それが持つ可能性に気づくきっかけとなります。
また、果物ネットというプラスチック梱包材に触れることで、私たちが大量に消費しているプラスチックごみの問題、特に海洋プラスチック問題について、子供たちの心に自然な形で問いを投げかけることができます。作った「海のなかま」たちは、環境について考えるきっかけを与えてくれる、大切なメッセージを持った作品となるでしょう。
廃材を使ったリメイク活動は、子供たちの創造力や工夫する力を育むだけでなく、「ものを大切にする心」や「環境への配慮」といった、これからの社会でより重要になる感覚を育む素晴らしい機会です。ぜひ、子供たちと一緒に廃材に新しい命を吹き込む活動を楽しんでください。