廃材活用!使い終わったCD/DVDでつくる光の飾り ~デジタルごみに新しい輝きを~
廃材活用!使い終わったCD/DVDでつくる光の飾り ~デジタルごみに新しい輝きを~
私たちの身の回りには、まだ使えるかもしれないのに捨てられてしまう物がたくさんあります。特に、情報技術の進化により、かつては当たり前だったCDやDVDも、使い終わると行き場がなくなりがちです。これらのデジタルメディアも、実はプラスチックでできており、リサイクルが難しい種類のものもあります。
ウェブサイト「廃材あそびリメイク帳」では、そんな「捨てられるはず」の廃材に、遊び心あふれるアイデアで新しい命を吹き込むリメイク方法をご紹介しています。今回は、使い終わったCDやDVDを、キラキラと光を反射する美しい飾りに変身させるリメイクアイデアをご紹介します。この活動を通して、子供たちが楽しみながら、物を大切にする心や環境への配慮について考えるきっかけとなれば幸いです。
このアイデアは、特別な技術や高価な道具を必要とせず、身近な廃材と簡単な道具で安全に取り組めるように工夫しています。子供たちの創造性を育みながら、環境問題についても自然と学べる内容を目指しました。
使い終わったCD/DVDが教えてくれること
使い終わったCDやDVDは、プラスチック製の円盤です。見た目はどれも同じようですが、実は複雑な構造をしています。データを記録する層や保護する層、そして光を反射するための金属の層(主にアルミニウム)などが重ねられています。これらの層が複合していること、また使用されているプラスチックの種類によっては、一般的なプラスチック製品と同じようにリサイクルすることが難しい場合があります。そのため、多くの使い終わったCDやDVDは、そのまま燃やされたり埋め立てられたりしています。
この廃材をリメイク活動で使う際には、なぜCD/DVDが使われなくなったのか、そしてそれがどのように捨てられているのかを、子供たちと一緒に考えてみる良い機会となります。デジタル化の波や技術の進歩について話したり、「物を大切に長く使うこと」「形を変えて再利用すること」の意味について話し合ったりすることで、環境問題への関心を深めることができます。
CD/DVD光の飾りづくり:準備するもの
- 廃材:
- 使い終わったCDまたはDVD
- 道具:
- ハサミ(プラスチックが切れるもの。厚みによっては力が要る場合があります。または、古いハサミを用意し、プラスチック用として使用します)
- 木工用ボンドなどの接着剤
- 糸やテグス(飾りを吊り下げるため)
- 穴あけパンチ(または、キリや千枚通し。使用時は大人が担当し、安全に十分注意してください)
- 油性ペン、絵の具、シール、廃材ビーズなど(飾り付け用、任意)
- 新聞紙やビニールシート(作業場所を汚さないため)
CD/DVD光の飾りづくり:詳しい工作手順
この工作は、はさみで硬いプラスチックを切る作業が含まれるため、必ず大人と一緒に、または大人の指導・監督のもとで行ってください。特に小さな破片が飛び散る可能性がありますので、安全に配慮しながら進めましょう。
ステップ1:安全な作業場所の確保
作業するテーブルに新聞紙やビニールシートをしっかりと敷き、破片が飛び散っても片付けやすいように準備します。換気の良い場所で行いましょう。
ステップ2:CD/DVDをカットする
CDやDVDは、ハサミで切ることができます。ただし、力を入れすぎると割れたり、鋭い破片が飛んだりする危険があります。ゆっくりと、少しずつ切るようにしましょう。
- 円盤の縁から少しずつハサミを入れ、短冊状に細長く切っていきます。
- 細長く切ったものを、さらに小さな四角、三角、菱形など、好きな形にカットしていきます。
- 【安全上の注意】 CD/DVDをカットする際は、必ず大人が見守るか、大人が主導して行い、子供は横で補助や見学をする形が安全です。子供がハサミを使う場合は、ゆっくりと、無理な力を入れないように指導し、保護者または指導者は常にそばについてください。飛散防止のため、切る部分を布などで覆うのも有効です。
ステップ3:形を組み合わせて貼り付ける
カットした様々な形のCD/DVDの破片を組み合わせて、好きな形を作ります。
- 透明の台紙(クリアファイルなど)の上に破片を並べ、木工用ボンドなどで貼り付けていきます。魚、星、動物、抽象的な模様など、子供たちの自由な発想で形を作りましょう。
- CD/DVDの円盤そのものを台紙として使い、その上にカットした破片を貼り付けて、装飾することもできます。
- 【安全上の注意】 接着剤を使用する際は、換気を良くし、目や口に入らないように注意します。手に付いた場合はすぐに洗い流しましょう。
ステップ4:飾り付けと穴あけ
貼り付けた破片がしっかり固定されたら、油性ペンで絵を描いたり、シールを貼ったり、廃材のビーズなどを貼り付けたりして、さらに飾り付けをします。CD/DVDのキラキラした面を活かすと、光の反射が美しくなります。
飾りが完成したら、吊り下げるための穴を開けます。
- 【安全上の注意】 穴あけパンチやキリ、千枚通しを使う作業は、非常に危険を伴います。必ず大人が担当し、子供には手を出させないように徹底してください。穴を開ける際は、滑り止めマットなどを敷いて、安全な場所で安定させて行いましょう。
ステップ5:糸を通して吊り下げる
開けた穴に糸やテグスを通して結びます。いくつかの飾りを縦につなげてモビールにしたり、一本ずつ窓辺に吊るしたりと、飾り方を工夫してみましょう。光が当たると、キラキラと美しく輝きます。
子供が主体的に取り組むためのヒントと応用例
- テーマ設定: 「未来の宇宙ステーション」「光る海の生き物」「秘密の宝物」など、子供たちが興味を持つテーマを決めて、それに沿って形や色を選んでもらう。
- 自由な表現: カットした破片を台紙に貼らず、そのまま糸でつないでゆらゆら揺れるオブジェにする。
- 他の廃材との組み合わせ: ペットボトルキャップ、ストロー、布のハギレなど、他の廃材と組み合わせて、より複雑で個性的な作品を作る。
- 光と影の探求: 完成した飾りを様々な場所に吊るしてみて、光の当たり方でどのように見え方が変わるかを観察する。影遊びに発展させることもできます。
ワークショップで実施する際の準備と注意点
- 材料の準備: 参加人数よりも多めにCD/DVDを集めておきます。カットする際の失敗や割れを想定しておくと良いでしょう。
- カット済みの廃材: 小さな子供が多い場合は、事前に大人がCD/DVDをある程度カットしておき、様々な形の破片を用意しておくと、スムーズに進められます。ただし、廃材から形が生まれる過程を学ぶためにも、可能であれば安全指導のもと、子供自身にカット体験をさせるのが理想です。
- 安全担当の配置: ハサミや穴あけ作業の際は、複数の大人が目を配り、安全確保を徹底します。特に刃物の使用時は、担当者を明確にしておきましょう。
- 環境学習の導入: 活動の最初に、なぜCD/DVDをリメイクするのか、捨てるとどうなるのかなど、分かりやすい言葉で環境に関する話をすることで、工作の意味を深めることができます。
- 片付け: 作業後、細かい破片が飛び散っている可能性があるので、掃除機や粘着ローラーなどを使って丁寧に片付けます。
まとめ
使い終わったCDやDVDは、その役目を終えた後も、キラキラとした美しい光を反射する性質を持っています。この特性を活かして飾りを作る活動は、子供たちにとって創造性を発揮する楽しい時間となるでしょう。
そして、この活動は単なる工作に留まりません。「なぜこれは使われなくなったのかな?」「このキラキラは何でできているんだろう?」「捨てる以外にどんなことができるかな?」といった問いかけを通して、子供たちは、物を大切にする心、資源の有限性、そして身の回りの物がどのように作られ、どうなっていくのかといった環境問題について、遊びながら自然と学ぶことができます。
ぜひ、子供たちと一緒に使い終わったCDやDVDに新しい輝きを与え、「廃材あそび」から広がる学びと発見を楽しんでみてください。この経験が、子供たちの未来に対するポジティブな行動に繋がることを願っています。