廃材活用！段ボールで手作りガチャガチャ ～遊んで学ぶリサイクルの秘密～
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私たちは日々の生活の中で様々なものを消費し、そして捨てています。特に、オンラインショッピングの普及に伴い、家庭から出る段ボールの量は増え続けています。段ボールは優れたリサイクル資源ですが、正しく分別されずに捨てられたり、その存在自体が「ゴミ」として認識されたりすることも少なくありません。しかし、少しのアイデアと工夫があれば、これらの廃材は子供たちの創造力を刺激する素晴らしい「宝物」に生まれ変わります。
本記事では、身近な廃材である段ボールを活用して、子供たちが大好きな「ガチャガチャ」を安全かつ簡単に手作りするアイデアをご紹介します。この活動は、単に楽しい工作であるだけでなく、段ボールがどのように作られ、どのようにリサイクルされるのかを学ぶ、生きた環境学習の機会にもなります。子供たちが主体的に取り組みながら、物を大切にする心や環境への意識を自然と育むことができる内容となっていますので、子供向けのイベントやワークショップを企画されている教育担当者の方々に、ぜひご活用いただければ幸いです。
段ボールについて知ろう：環境学習のポイント
工作を始める前に、使用する「段ボール」について子供たちと一緒に少し学んでみましょう。
- 段ボールはどこから来るの？：木から作られた紙を加工してできています。大切な荷物を守るために、丈夫な箱として使われます。通販で届いたもの、お店で何か買ったときなど、皆さんの家の近くにもきっと段ボール箱がありますね。
- 使った後はどうなるの？：正しくリサイクルすれば、また新しい段ボールや、他の紙製品に生まれ変わることができます。資源を大切に使うための、とても大切な取り組みです。
- リサイクルされないとどうなるの？：燃やされたり、ゴミとして埋められたりします。これは地球の資源を無駄にすることになり、環境に負担をかけてしまいます。
このように、段ボールが私たちの生活の中でどのような役割を果たし、リサイクルがなぜ大切なのかを、簡単な言葉で伝えることで、子供たちの環境への関心を高めることができます。
段ボールガチャガチャの材料と道具
このガチャガチャ作りで使うのは、ほとんどがご家庭や地域で集められる廃材や、一般的な道具です。
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材料
- 適度な大きさの段ボール箱：お菓子や家電が入っていたものなど、丈夫なものが適しています。底が閉じられる状態のものを選びましょう。
- トイレットペーパーの芯：1～2個。カプセルが通る筒になります。
- ペットボトルの蓋：2個程度。投入口のノブや装飾に使えます。
- カプセル：ガチャガチャに入れる小さなおもちゃやメッセージを入れるためのカプセル。市販のものや、手作りの小さな箱などでも代用可能です。
- その他装飾用：絵の具、油性ペン、色鉛筆、折り紙、シール、マスキングテープなど、自由に使えるもの。
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道具
- カッターナイフ：段ボールをカットするために使います。必ず大人が使用し、子供には触らせないでください。
- ハサミ：紙やテープを切るのに使います。子供用ハサミがあれば安全です。
- 接着剤：木工用ボンドや多用途ボンド。段ボールや紙、プラスチックを接着できるものが適しています。
- ガムテープや布テープ：段ボールの補強や固定に使います。
- 定規、鉛筆：測ったり印をつけたりするのに使います。
段ボールガチャガチャの作り方：ステップバイステップ
安全に注意しながら、以下の手順で進めていきましょう。ワークショップ形式で行う場合は、工程を分けて役割分担したり、一部を事前に準備しておくとスムーズです。
ステップ1：本体の箱を準備する
- 使いたい段ボール箱の、開いている側をしっかりと閉じ、ガムテープなどで補強します。これがガチャガチャの本体となります。
- 箱の形を整え、歪みがあればテープで補強します。
ステップ2：投入口と取り出し口の位置を決める
- ガチャガチャの正面になる面を決めます。
- 正面の少し上に、カプセルを投入するための穴（投入口）の位置を鉛筆で印をつけます。トイレットペーパーの芯の外径より一回り小さい円を描くと、芯が固定しやすくなります。
- 正面の下の方に、カプセルが出てくる穴（取り出し口）の位置を印つけます。カプセルがスムーズに出てこられる大きさに、四角形や半円形で描きます。
- 箱の側面に、回すノブを取り付ける穴の位置を印つけます。投入口の近く、トイレットペーパーの芯を通す高さになるようにします。ペットボトルの蓋の直径より少し大きめに印をつけます。
ステップ3：穴を開ける（大人の作業）
- 必ず大人が行います。子供は安全な場所で待っていてもらいましょう。
- ステップ2で印をつけた投入口、取り出し口、側面のノブ用穴を、カッターナイフを使って慎重に切り抜きます。段ボールの下にカッターマットや厚い段ボールを敷いて作業すると安全です。
- カッターの刃は新しいものを使用し、一度に深く切ろうとせず、数回に分けて切り込みを入れると安全かつきれいに切れます。指を切らないよう、刃の進行方向に手を置かない、無理な力を加えないなど、基本的な安全ルールを徹底してください。
ステップ4：中の仕組みを作る
- トイレットペーパーの芯を、箱の奥行きに合わせてカットします。投入口から箱の中央あたりまで伸びる長さに調整します。
- 投入口の穴に、カットしたトイレットペーパーの芯を差し込み、内側からテープや接着剤でしっかりと固定します。芯の穴が投入口の穴とまっすぐになるようにします。
- 箱の内部に、カプセルが投入口から落ちて、取り出し口の方へ転がるような簡単な坂道や仕切りを、段ボールの切れ端で作ります。これでカプセルがスムーズに出てくるようになります。坂道は急すぎず、カプセルが詰まらない角度に調整してください。
- 側面のノブ用穴の近くに、カプセルが一時的にストップするような仕掛けを考えます。例えば、回転する板や筒などを取り付け、ノブを回すとカプセルが落ちるように工夫します。これは少し複雑になるため、簡単な仕組み（例：芯を回してカプセルを落とす、または単純に投入口から落ちるだけにする）から挑戦しても良いでしょう。ワークショップでは、この仕組みの部分は事前に大人が組み立てておき、子供は取り付け作業だけを行うようにすると、時間内に完成させやすくなります。
ステップ5：ノブを取り付ける
- 側面のノブ用穴の外側に、回すためのノブを取り付けます。ペットボトルの蓋にキリなどで小さな穴を開け、針金やビスを通して箱の内側から固定する方法などがあります。子供が触る部分なので、安全で外れにくい方法を選びましょう。回しやすいように、蓋の中に段ボールの厚紙などを詰めて補強するのも良いでしょう。
ステep6：デコレーションを楽しむ
- 箱全体に絵の具を塗ったり、色紙を貼ったりして、自由にデザインします。油性ペンで絵を描いたり、シールを貼ったりするのも楽しいです。子供たちの個性や創造性を発揮できる一番楽しい工程です。
- 「ガチャガチャ」の名前をつけたり、絵で景品を予告したりするのも良いでしょう。
- ペットボトルの蓋などを装飾として活用するのもおすすめです。
ステップ7：景品を入れて完成！
- カプセルに小さなおもちゃ、手作りの折り紙、メッセージカードなどを入れます。
- 投入口からカプセルを入れて、ノブを回したり、仕組みを操作したりして、カプセルが出てくるか試してみましょう。
これで、世界に一つだけの手作り段ボールガチャガチャの完成です！
子供が主体的に取り組むためのヒントと応用例
- デザインはお任せ！：本体のデザインは子供たちの自由な発想に任せましょう。「どんなお店のガチャガチャかな？」「どんなキャラクターが出てくるかな？」など、想像を膨らませる声かけをすると、より創作意欲が高まります。
- 景品を考えよう：ガチャガチャに入れる景品を子供たち自身に考えさせたり、作らせたりするのも良い活動です。小さなおりがみ、ビーズを入れたミニ袋、手描きの絵などが適しています。
- 仕組みを理解する：ノブを回すとどうしてカプセルが出てくるのか、中の仕組みを見ながら一緒に考えてみましょう。科学的な興味を引くきっかけにもなります。
- 応用例：
- 複数の箱をつなげて、大きなガチャガチャマシンにする。
- 出てきたカプセルを入れる「あたり」「はずれ」の箱を用意して、ゲーム性を持たせる。
- テーマを決めて、そのテーマに沿ったデザインや景品にする（例：海の生き物ガチャ、宇宙ガチャなど）。
ワークショップで実施する際の準備と注意点
- 事前の準備：カッターナイフを使うカット作業は、事前に大人が済ませておくことを強く推奨します。箱の組み立てや、中の仕組みの簡単な部分はあらかじめ作成しておくと、子供たちがスムーズに作業に入れます。必要な道具や材料は、参加人数に合わせて十分に用意しましょう。
- 安全管理：ハサミや接着剤を使う際も、正しい使い方と注意点を丁寧に指導します。特に接着剤は換気を良くし、目に入らないよう注意が必要です。子供たちの作業状況を常に確認し、困っている子や危険な作業をしている子がいないか目を配りましょう。
- 環境学習の導入：工作の開始時や途中で、段ボールのリサイクルに関する話を短い時間で行うことで、活動の目的を共有できます。ガチャガチャが完成した後で、「この箱がまた生まれ変わって、何になるか知ってる？」などと問いかけるのも効果的です。
- 時間配分：デコレーションに時間がかかることが多いので、全体の時間を見ながら、どの工程にどれくらいの時間をかけるか計画しておきましょう。
まとめ
この記事では、段ボールを使った手作りガチャガチャのアイデアをご紹介しました。身近な廃材を使い、少しの工夫で子供たちが夢中になるおもちゃを生み出すことは、創造性を育むだけでなく、「捨てる」という行為について考え、限りある資源を大切にする意識を育む貴重な機会となります。
この活動を通じて、子供たちが「これも何かに使えるかな？」「どうすれば無駄にならないかな？」と考えるきっかけを持つことができれば、それは将来にわたる環境への配慮に繋がる第一歩となるでしょう。
廃材あそびは、子供たちの「もったいない」という気持ちを「ひらめき」や「かたち」に変える素晴らしい力を持っています。ぜひ、今回ご紹介したガチャガチャ作りを、子供たちとの楽しい学びの時間の参考にしていただければ幸いです。
これからも「廃材あそびリメイク帳」では、身近な廃材を使った、創造性と環境学習に繋がるアイデアを発信してまいります。次回の記事もどうぞお楽しみに。